会長挨拶 Greetings

 
会長 髙木 信介 このたび、2025年10月12日(日)〜10月13日(月・祝)に、第43回日本臨床皮膚外科学会・学術大会を鹿児島市のLi-Ka1920において開催させていただきますことを皆様に深く感謝いたしますとともに、大変光栄に存じております。
 鹿児島市での開催は、第39回学術大会を鹿児島医療センター皮膚腫瘍科・皮膚科の松下茂人先生が会長をされて以来2回目となります。鹿児島といえば、雄大な桜島、温暖な気候、そして美味しい食文化。都会の喧騒から離れ、ゆったりと過ごせる癒やしの空間が広がっています。この魅力的な鹿児島の地で、皆様と最新の皮膚外科の知見を共有し、熱い議論を交わしたいと考えております。  今回の学術大会のテーマは「Why Understanding Skin Surgery in its Totality Matters: Immersion vs. Disregard」といたしました。
 このテーマは、現代の皮膚外科医が直面する重要な課題を浮き彫りにしています。近年、皮膚外科領域は目覚ましい発展を遂げ、レーザー治療、再生医療、遺伝子治療など、かつては夢物語だった技術が現実のものとなり、治療の選択肢は飛躍的に広がっています。
 しかし、一方で、高度な技術にばかり目が行きがちで、基礎的な知識や技術への理解が不足している現状も否めません。高度な技術を駆使するためには、それを支える土台となる基礎知識、例えば解剖学、病理学、創傷治癒のメカニズムなど、幅広い知識が不可欠です。基礎を軽視したまま、最新の技術や治療法だけを追いかけることは、患者様にとって安全な医療を提供できないばかりか、医療全体の質の低下にも繋がる可能性があります。
 そこで、本学会では、「Immersion」と「Disregard」という対照的な概念を通じて、皮膚外科の全体像を理解することの重要性を訴えたいと考えています。
 **「Immersion」**とは、皮膚外科という深淵な世界に没頭し、その奥深さを理解することです。皮膚の構造、病理、生理、そして様々な治療法や手術手技など、皮膚外科という領域全体を深く理解することで、より確実な診断と治療へと繋がるはずです。
 一方、**「Disregard」**とは、基礎を軽視し、表面的な知識や技術だけに頼ることです。最新の技術や治療法に飛びつくばかりで、基本的な知識や技術を軽視することは、医療の質や安全性 の低下にも繋がる可能性があります。
 私たちは、皮膚外科の真髄を深く理解し、患者様にとって最善の治療を提供するために、この二つの対極的な道を意識しなければならないと考えています。
 本学会では、各分野の第一人者による最新の知見や技術はもちろんのこと、皮膚外科の基礎を改めて学ぶ機会をご用意いたしました。皆様が本学会を通じて、皮膚外科の全体像を理解し、さらなる研鑽へと繋がることを願っております。
 鹿児島の豊かな自然と文化に触れながら、最新の知識と技術を吸収し、新たな刺激と出会いを求めて、この素晴らしい学会の地へぜひお越しください。
 鹿児島の地で、皆様と最新の知見を共有し、活発な議論を交わすことで、皮膚外科の未来を共に切り拓いていきたいと考えております。皆様のご参加を心よりお待ちしております。
第43回日本臨床皮膚外科学会総会・学術大会
会 長 髙木 信介
昭和大学 形成外科 准教授
(※2025年4月1日に昭和医科大学へ校名変更)
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